姉がリモコンを手に、「おいでー」と言ってくれるから、和は夢中になって追いかけます。足の裏が赤いので、よく見たらマメができていました! ずり這いでマメができるなんて知らなかった!
前へ前へという気持ちは、その先への期待があってこそ。あるときはしまい忘れた姉の筆箱、あるときは締め忘れた半開きの扉。「ぱなし」の多い我が家は、期待に溢れている!
(川辺)
どうして赤ちゃんは這うんだろう。そんな疑問を抱く。それは、どうして人は生きているんだろう、という問いへと向かう疑問のようにも思う。
足の裏を真っ赤にして、ただただ前へと進む。和くんがほしいのは、リモコンではないのかもしれない。「おいでー」の声と、先へ先へと進んでいくお姉ちゃんの姿が、這わずにはいられない気持ちを引き出している。それは、永遠に追いつけない追いかけっこのようにも見える。だけど、きっといつか、追いついて追い越していくときがくる。人が育つということは、そういうことだから。
でも、今は、ただただ前へ進むのがおもしろくて、和くんは前へと進んでいる。その姿に、少し圧倒されながら、這わずにはいられない和くんの気持ちを感じている。
(宮里)