2016年10月
姉にアンパンマンの絵を描いてもらうことが、コミュニケーションの一つになっています。
この日も、和が「チャンマ(アンパンマン)」と言いながら姉を見上げると、姉は「アンパンマン、描くの?」と言い、アンパンマンを描いてくれました。
そして、和は、その線の上を重ねるようにして、握りしめた鉛筆を動かしています。
絵を描いて欲しい、そして自分でも絵を描きたいと思っているのかな。
いや、描いているつもりかもしれませんね。
(川辺)
お姉ちゃんが描いてくれた「チャンマ」を鉛筆でたどる。
目で追うのではなく、たどるという行為は、その線を生み出した人の体の動きごと体験しているのだろう。
確かに、描いている気分なのかもしれない。
和くんの手を見ながら、なぞるという言葉が心に浮かんだ。
なぞるは、漢字で「擦る」と書くらしい。
まさに、手に持った鉛筆が紙面の上をたどることで擦れていく感じがして面白い。
私たちは、こうして、なぞってる和くんの軌跡をなぞっているようにも思える。
(宮里)