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「持ってやろうか?」4歳5ヶ月

2021.08.11 ゆっくりゆっくり大きくなぁれブログ

2019年3月
保育園の帰り、ザーザー降りで気が遠くなりましたが、「リュック、持ってやろうか?」と和。
「いや、これはあなたのリュックですよ…」と思いつつ、和に手渡すと、自分でさっさと背負いスタスタと歩きました。なんと言うことだ!

バスから降りたら、雨がやんでいて、一段といいリズムで歩き始めました。
途中、ちょうど前日に絵本で見たようなショベルカーを見つけ、じっと観察。
ショベルカーを眺める背中が、少し大きくなったように感じます。

ところで、リュックを背負う姿を嬉しくて眺めていたら、急に「リュック、なんで自分で持ってるか、わかる?」と和が聞きました。

大きくなったから、とか、 お兄さんだから、とか、 言うのかなぁ。
そう思いながら、「ん?なんで?」と問いかけたらなんと。

「お母さんに怒られないためだからだよぅ」
えぇー!? そんな、怒ってるー? なんか…それが理由かぁ。

だから、私はちょっと複雑な思いでその背中を見つめているわけです。
リュックを持ちなさいと怒ったつもりはないけれど、なんでもかんでも「やって、やって」ということに対して、時折機嫌の悪い私を見ていたのでしょうね。
着替えに、ご飯に、トイレに、遊ぶのに、歩くのに、何でもかんでも「やって」と言って、私にしがみついて、私の方はどんどんどんどん疲れていく、イライラしていく。
この悪循環を、和の方から断ち切ってくれたのかもしれません。

私が機嫌のいい顔で歩くのを、和が嬉しそうに見上げ、一緒に手を繋いで歩きました。

まっすぐ、一緒に、いいテンポで歩く。
こんな歩き心地のいい帰り道は、初めてかもしれません。

(川辺)

憎まれ口をたたく。
やせ我慢をする。
へそ曲がり。
あまのじゃく。
などなど、変化球を投げる人を表す言葉は、たくさんある。

自分のリュックを人に持たせておいて、「持ってやろうか」という。
どうして持ったかの理由を「おかあさんに怒られないようにだよーん」と言う、なんてね。
まるであまのじゃくの見本のような言葉だね。

でもね、 「どうしてリュックを、持ったかというと、おかあさんに苦労ばっかりかけたお礼だよ」なんて言われたら、居心地悪いよね。
それに、落ちが見つからないから、エピソードにもならなかったかもね。
だから、やっぱり和くんはこれでいいんだと思うよ!

(宮里)

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