2017年11月
和は、歯医者さんが苦手です。
歯医者さんに行く前も着いてからも、「はいしゃさん、やらない」と言い続けていましたが、この日は覚悟を決めたようです。
自分で座り、そしてひとこと。
「きょうも、ボタンおしてもいい?」と自分から先生に。リクライニングするボタンを押させてもらってからスタートしました。
治療は、電動の歯ブラシで全ての歯を磨いてもらうというもの。硬い表情でブラシを触らせてもらっていましたが、「せんせいと、この女の人(看護師さん)、どっちにやってもらいたい?」と聞かれると、大きな声で「せんせい!」と答えました。
いつも見てくれている先生に、委ねられるようになったということですね。
ここで大抵は「女の人」となるらしいので、看護師さんはズッコケていましたが(笑)
終始硬い表情で、ブラシが行ったり来たりするのを耐え、5分か、10分くらいかな。
ちゃんと最後まで磨けたのです!!
先生にたっぷり褒めてもらい、嬉しくて顔が赤くなるくらい顔に力が入っていましたが、椅子から降りて急に……
「せんせいは、どこでねているんですか?」
突然の質問に、先生はびっくりして、「ん、なんだって?」と聞き返し、私が補足すると、「お家に帰って寝るんだよ」と答えてくださいました。
先生のこと、知りたくなったのかな(笑)
(川辺)
その人のことを知りたくなる、というのは、最上級の好意なのではないだろうか。
覚悟を決めて身を委ねた末に、「あなたはどこで寝ているの?」と聞くなんてね。
それは、その人のことを、すごく大事に思っているからに違いないと思える。
いたずら気分で想像してみる。大人になった和くんのことを。
身を委ねたあと住んでいる場所を聞いちゃうのかも!
うーん、危険な男の香りがする。
(宮里)