2016年9月
和が熱を出していて、なんだかお互いに疲れた夕方。
いただきもののブルーベリーティーをアイスティーにして飲んでいたら、和も飲みたがりました。
いつものコップに入れると、クイっと飲んで目をパチクリ。衝撃の美味しさだったようです。
パッと席を立ち、引き出しを開け、コースターを持ってきて、コップの下に敷きながら、ニタッと笑って「フム」ってまるで言っているように頷きました。
なんだかこの飲み物は特別って思ったんですね!!
(川辺)
熱が出ると、人は素になる。その人の中心にあるものが出てくる。
我が家の次男が大学生だったころ、インフルエンザにかかった。高熱をやり過ごしたころに、猛然と描いたペン画がある。
集中と拡散をイメージさせる絵で、私は一目で気に入り壁に飾った。
家族からは「ウツリソウナキガスル」と不評だったけれど、熱が彼に描かせたように思えて、忘れられない絵になった。
そして、今、熱のある和くんは、アイスティーにコースターを敷いた。
そして、これでよし!と頷いた。
これが素の和くんなのかもしれない。
和くんは、実は紳士なのかもしれない。
(宮里)