2019年3月
和は、相変わらず、保育園に送った後のバイバイが苦手です。
ギュッとしてバイバイしたり、 玄関までお見送りしてバイバイしたり。
でも結局一緒に保育室に戻ってきてバイバイしたり、 特別好きな先生にわざわざ来てもらって、抱っこしてもらってバイバイしたり……。
「お母さんと離れるのが、嫌なんだよぅ」と言います。
ちなみに、あんなに悲しそうに別れるのに、バイバイした瞬間からは、開け放たれたように遊んでいます(笑)
友だちが、和を見つけると嬉しそうに集まってくれて、 「一緒に遊ぼうよぅ」と声をかけられたり、手を引かれたりするのも、嫌がってしまいます。自分で気持ちを切り替えて別れたいのですね。
でもその子たちは、ちゃんと待ってくれて、私にいろんなことを話してくれます。
そういう他愛ないおしゃべりで気持ちがほぐれることもあります。
さて今日は、明るい陽射しのもとで、園庭の桜がとても美しく見えました。
「桜が咲いているのね」と言いながら、園庭の裏側に回ることにしました。
「バイバイ! 園庭でね!」 そう言って、私は一度門から出て、園庭の裏道へ行きました。
ぴょんぴょん跳ねながら、フェンスの前で待ち合わせ。
「早くお迎えに来てね! 1時に帰ってきてね!」
1時にお迎えは無理だけど、いつものように、行き先と帰りの時間を伝えて、気持ちよくバイバイしました。
「バイバイ」って、なんだろう。 1年間、いやもう何年も考え続けている気がします。
(川辺)
バイバイって、なんだろう?
その問いは、答えのない問いかもしれない。
その問いは、答えのない問いかもしれない。
なぜなら、バイバイの意味は、バイバイした瞬間に消えるから。
バイバイしたあとに、時間はすっかり新しくなる。
バイバイした和くんが、さっそうと歩き出すように。
バイバイの意味は、バイバイの前にある。
本を一冊読んでとか、握手とか、もう少し一緒にいたいために思いつく何やかやをしている、その時間の中に大事な何かがあるんだと思う。
そういう私は、サヨナラが苦手で、小さく手を振って振り返らずに、ちょっとうつむいて歩き出してしまうタイプ。
だからね、和くんとママのバイバイの物語は、私にはまぶしすぎるんだな。
(宮里)