2017年9月
冷たい雨が降りました。
そんな中、相変わらず和と一緒に帰るのは大変です。
手を引いて、駅のバス停までが、なんと遠いことか……。
やっと屋根のあるところに来て、傘を閉じ、私は荷物を持つ手を替えたりして、体勢を整えていました。
そしてふと、和の方を見たら……。
和は、口を大きく開けて、雨水がポタポタ落ちるのを待っていました。
(川辺)
子育ては、格闘だ。親になるということは、格闘家になることに似ている。
ただ、本当の格闘家ではないから、隙がある。
傘を閉じるとか、荷物を持ち直すとか。
そういう隙を、ヤツは逃さない。確実にその時をとらえる。
大きな口を開けて、雨を待ち構える、という具合に。
隙があるから、物語が始まる。
やっぱり、スキって、スキだな。
(宮里)