「すみません、再配達お願いします!」
と、まるで言っているかのよう。
受話器と、宅配業者の不在通知のセット。
本当によく見ています。
電話の表情までは……、私に似ていないことを祈ります(笑)
(川辺)
遥か昔の電話は、聞こえてくる場所としゃべる場所が、はっきりわかるようになっていた。その電話に慣れていた私は、今時の受話器に出会った時、どこから聞こえるの?」「どこにしゃべればいいの?」と戸惑った。形状が、のっぺりしていて、親しんできた電話とは違ったから。
和くんの姿からは、そのような戸惑いはどこにもない。
これが、彼にとって当たり前の「通話のカタチ」なのだろう。
面白いね。
人は進化の中を生きている。「新しさ」をたやすく「当たり前」にしながら。
不在通知書と電話の組み合わせも、そうだ。
それはセットのものとして刷り込まれている。
和くんの「日常」であり、行為として遊ばれている。
(宮里)