2017年5月
先日、和が紫陽花のつぼみを、プチプチと取っていました。
あっ! これね、待っているとお花が咲くの。
「え、なによぅ。なんなのよぅ」
最近、いい気分でやっている時に、思いがけないことを言われると、不満気にこう言います。
その後、たまたま開いた姉の図鑑で紫陽花の花を見ることがあり、ワケがわかったようです。
翌日の帰り道、別の花のつぼみを見つけたら、「これ!! さくのー?」と飛びついて、「さいてー、さいてー」とつぼみに口がくっつくほど近づいてささやいていました。
待てば咲く。
これから、あちこちで花開いていくのが、楽しみです。
(川辺)
蕾と実の区別がつき、意味の違いを知った私たちは、蕾を摘み取る行為を見ると、心が痛む。
でも、和くんには、蕾と実が同じに見えていたのかもしれない。
待って! と声をかけ、もう少しで花が咲くという先の姿を伝えたお母さんの真心は確かに伝わったようだ。
「なんなのよう」と言いつつも摘むのをやめ、花が咲く、ということを本でも確かめたことで、次の日は、「さいてー!」と、呼び掛けるようになっている。
「早く咲いてあげなくちゃ」と話す、アジサイの精たちの声が聞こえるような気がする。
(宮里)