2017年4月
和が、手に持って出かけた重機。
自転車の後ろで眺めていたら、落としてしまいました。
あっという間に、パリン!
軽い音がして、バラバラに壊れてしまいました。
オイオイ泣く和の声を背中で聞きながら、うまく慰めることもできずに突き進んでいると、途中でふと静かになりました。
しばらくして。
「おかあさーん、ブルドーザー、パリンってなっちゃったから、あたらしいの、かってねーーーー」
えーーーー!?
壊れたら、買えばいいなんて!!
か、かれはもう、だいぶわかってるっていうことですね???
(川辺)
パリンってなるっていうことは、崩壊の悲しみなのかもしれない。喪失ではなく崩壊。
我が身も痛むような感覚。
その悲しみを越えて、再生を体験した時、ヒトは力を得るように思う。
でもこればっかりは無理!!! という時、魔法の扉が開く。
「新しく買う」という魔法。
確かに彼はその魔法の存在を知ってしまったのかもしれない。
でも、いいよ。
まずオイオイと泣いたし、かわいい声でおねだりしたしね。
(宮里)