2017年2月
節分の日。
保育園の帰りに、ウォールポケットから鬼のパンツをバッグにしまっていたら、「ちわう(ちがう)」「あお(緑)」と和が怒りました。
でも、これが和のウォールポケットに入っているもの。
困っていたら、先生が、「和くん、どうしたの?」と聞いてくれました。
事情を話すと、「緑、残ってないかな、緑が良かったのねー」と言って探しに行き、少ししたら走って帰ってきて、ササっと他の子のパンツと入れ替えてくれたのです。
なんと!
玄関の今日の様子がわかる写真を見て、和のパンツが緑だったことがわかって、急いで戻ってきてくれたのでした。
お礼を言うと、「和くんにとっては、大事なことだったのよね」と、先生。
他の先生も、「ちゃんとちがうって言えるって、すごいことだね」と声をかけてくださいました。
ウォールポケットに入れた先生まで、「間違えたのは私です」と告白してださって(笑)
パンツの色にこだわって泣く和の気持ちにパッと気付いて、どんな想いでいるのかを聞き取り、どうしたら気持ちよく帰れるか、そして、和の主張にどんな意味があるのかをさらっと伝える先生たち。
すごいなぁ。
こんなに大切にされているんだって、感動して帰ってきました。
私の心の中に鬼が、ちょっぴり反省中です。
(川辺)
「ちわう」(ちがう)という主張は高度だ。
「○○たい!」という主張や、「ぼくの」という所有への欲求とは、一線を画している。
状況をとらえた上で、その間違いを指摘している言葉だ。毅然とした態度で宣言している言葉だ。
ただ残念なことに、そもそもオトナから見れば「ちわう」ようには見えないわけだし、和くんは小さいし。
だから、普通は、「何言ってるの!」と軽く流されてしまう。運が悪ければ「何言ってるの!」と叱られてしまう。
ところがね。
和くんには理解者がいっぱいいる。子どもの言葉や子どもの気持ちをしっかりとらえようとするオトナが2人以上いる。
だからね!
和くんはこれからも自信をもって言うと思う。
違うときには「ちわう!」と。
それは、すごく大切な生き方のキホンだ。
(宮里)