11月2日(木)、日比谷研修センターにて第五回目のセミナーを実施しました。
タイトルは「保育におけるアートの視点 ~レッジョ・エミリアから学ぶこと~」。
レッジョ・エミリアに興味はあっても、なかなか学ぶチャンスがない、日々の保育の中でどのように捉えたらいいのか…悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回は、デザイナー・アトリエリスタの伊藤史子さんをお迎えして、講義とワークショップを開催しました。史子さんは、レッジョ・エミリア市のレッジョチルドレンと協働でデザインのお仕事をされ、その間、実際の保育施設でも現地の先生と一緒にアトリエリスタとして活動をなされました。
まず、午前中は室内での講義。
レッジョ・エミリア市の教育哲学や実際の活動について、史子さんの実践の写真を交えながらお話しいただきました。
子どもは世界を新鮮な目で観察し、新しい価値を見出し創っていくリサーチャーであり、そんな子どもの傍らにある大人もリサーチャーであるという言葉は、心に刺さりました。
午後は隣接する日比谷公園へ。
公園を全身で感じながら歩いてリサーチしてきました。どんなもの・こと・人との出会いがあるか、楽しむというねらいをもち、汗ばむほどの晴天の下、参加者は思い思いに、落ち葉や木の枝、石や人工物(誰かの落とし物等)などを集めてきました。
室内に戻ると、講師が自然物や人工物を、木の板やアクリル板、鏡、画用紙の上に、丁寧に配置しています。その様子に刺激を受けながら、参加者も集めてきたものを観察し、それらの素材を使ってワーク課題に取り組みました。
スケッチの鉛筆を走らせる音、拾ってきたものを手に取り、紙の上に置いて重ねる試行錯誤の音の中、会場はアトリエのような雰囲気に…。
その後、表現したものを前に一人ひとりがコメントを共有しましたが、率直な思いがにじみ出た言葉になっていたように思います。
最後に講師から、「保育者はいつも、子どもの為にと見てしまいがちだが、今日、自分が選んだ素材、集めたものを見て、自分の視点に気付いたのではないか。これからも自分の感覚で周りを見ていってほしい」と話されました。 自分の気持ちや視点も大切にすることを、思い出させてくれたひと言だったと思います。