2017年4月
「うわー、しゅっごーい(すっごーい)」
保育園の帰り道、自転車で自宅に向かっていたら、和が背中から大きな声で言いました。
「ほんと、不思議な色ね」と返すと、
「ピンクは? ピンクは?」としきりに聞いてきます。
そういえば、前に見た空で、「ピンク色」を見つけたんだっけ。
移動しながら、空の色がピンクに変わっていくのが見えると、
「わぁ!ピンクよ。ピンクとぉ、きいろとぉ、…………あお! あお、ある?」
「ねーーー、あお、あるの?あおーー?」
あお?
ピンと来なくて黙っていると、何度も聞かれるので、よくわからないまま「あおもあるねー」と答えました。
そして、流れゆく雲をもう一度見上げて、わかったのです!
「あお」は、空の色!
当たり前の青い空が、不思議な雲の間から見えたのでした。
(川辺)
遥か遠くを眺める、という行為は、豊かな行為だと思う。
或いは、豊かさを連れてくる行為。
収容所での厳しい日々を送っていたユダヤの人が、ある日格別に美しい夕焼けを見た。
その瞬間、心が満たされ、生きていてよかったと思った、という話を聞いたことがある。
言葉を越えた言葉。
全ての人を包む美。
和くんがお母さんと見つけた格別に美しい夕焼けは、こうして、ネットの力も借りながら、ひろがっていく。
染み透っていく。
(宮里)