シンポジスト 吉永 安里 氏 コメント
幼児期は小学校教育に適応するための練習をする時期ではありません。これからの時代を豊かに生きる人格形成の基盤づくりの時であり、そしてなりより幼児期の「今」を充実して過ごすことが大切です。特に5歳児は、遊びの中で試行錯誤しながら環境とのかかわり方を学び、仲間とともに問題解決することを通して、認知的スキルや社会情緒的スキルが大きく伸びる重要な時期です。そして、その力は0歳からの育ちに支えられ、さらに小学校1年生以降の育ちと学びにつながっていきます。生まれてから大人にいたるまでの連続した育ちと学びを実現する「架け橋プログラム」をどのように作成していけばよいのか、共に考えましょう。
吉永 安里 氏 について
國學院大學教授。専門は幼児期のことばの発達、小学校国語科教育。白梅学園大学大学院子ども学研究科博士課程修了。博士(子ども学)。都内私立幼稚園、東京都公立小学校、東京学芸大学附属小金井小学校に勤務ののち、國學院大學人間開発学部子ども支援学科助教、准教授を経て、同大學教授。架け橋期に関して、幼保小連携や接続カリキュラム等の講演を多くの団体や自治体で行う。指導助言、事例集作成に関与する等、関わりが数年に渡る自治体も多数。
著書は『幼児教育と小学校教育における言葉の指導の接続-読むことの指導の差異と連続性から』(2023、風間書房、単著)、『あそびの中の学びが未来を開く 幼児教育から小学校教育への接続』(2020、世界文化社、共編著)など多数。